大学院教育
情報科学研究科
2005
混沌系工学特論
井上 純一(北海道大学大学院情報科学研究科)
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大学院教育 混沌系工学特論 (2005)

教員
井上 純一(北海道大学大学院情報科学研究科)
概要

確率的情報処理に関する話題の提供 II:
統計力学の考え方に基づく情報処理システムの設計とその動作の解析がどのように行われるのか, を前年度の「確率的情報処理に関する話題の提供 I」に引き続いて具体例をあげて解説する.
今年度は昨年度学んだ確率的情報処理のバックグラウンドをベースに, 画像修復, 誤り訂正符号, 移動体通信, ゲーム理論をトピックスに選び, そこでの確率的情報処理, 情報統計力学を用いた性能評価の方法について詳しく学んで行く.

講義資料

注)2004年度の資料もご覧ください

1. 講義全体の概要説明と簡単な情報統計力学の入門 (計1回)
講義ノート | 講義スライド

2. 確率的画像処理 の情報統計力学 (計2回)
講義ノート | 講義スライド
講義ノート | 講義スライド

3. 誤り訂正符号 の情報統計力学 (計2回)
ⅰ 配布資料なし | 講義スライド
講義ノート | 講義スライド

4. 移動体通信 (CDMA復調器) の情報統計力学 (計1回)
講義ノート | 講義スライド

5. ゲーム理論 の情報統計力学 (計1回)
講義ノート | 講義スライド

課題用資料
課題1 (Cプログラム)
課題2 (PBM画像) ※準備中

‡ これらの資料は制限資料です。

iTUnesU リンク
タグ
対象
大学院修士課程, 博士課程 工学研究科,情報科学研究科
単位等
講義,2単位
キーワード
確率的情報処理, 画像修復, 誤り訂正符号, 移動体通信, ゲーム理論, 情報統計力学
シラバス

<到達目標>
この講義の到達目標は各トピックスの内容に関する知識を身に付けるだけでなく, トピックス全体に該当するものとして

1.確率的に動作する多数の要素からなるシステムを可能な限り簡略化し, 数理モデル化することができるようになる.
2.数理モデルを解析するための手法 (応用数学的手法, 計算機による数値計算/シミュレーション技法)を身に付ける. ※ 多くの複雑な現象は数理モデルを簡略化したとしても, その振る舞いをを厳密に評価することは難しくなります. そこで, いくつかの近似を用いたり, 理想化された状況を考えることになるので, 用いた近似の精度評価/妥当性についても適切に行えるようになることが望ましいです.

※ 具体的には各トピックスの要所で[演習問題]を出しますので, それを自ら考え, 必要とあらば自分でプログラムを書き, その実行結果に関して自分なりの考察ができるようなレベルを目指します

 

<授業計画>

1.入門 : ウォーミングアップ (全1回) 到達目標 : 昨年度版の「最適化問題の数理」の回で用いた題材をもとに, [ノイズを利用したアルゴリズム]を導入し, このアルゴリズムが定常分布 — ギブス分布 — を持つことを示し, 内部エネルギーやエントロピーなどの熱力学的諸量がミクロなレベルから導き出されることを確認する.

 

2.確率的画像処理 (全2回) 到達目標 : デジタル画像を磁石の数理模型であるスピンモデルで情報表現できることを確認し, ベイズ統計の枠組みでの画像修復の問題を定式化する. また, 事後確率最大化(MAP), 周辺化事後確率最大化(MPM)の基準により推定された画像が, どの程度まで原画像に近いかを統計的に評価できるようになる.

a.デジタル画像のスピン表現と計算機上での扱い方を学ぶ
b.劣化画像からの原画像推定をベイズ統計の立場から定式化し, MAP, MPM推定をマルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて計算機上で実装できるようになる.
c.システムに現れるミクロな変数とマクロな変数の違いについて理解し, マクロな変数を推定する際に用いられるEMアルゴリズムとその構成法について理解する.

 

3.誤り訂正符号 (全3回) 到達目標 : 伝送路からのノイズの影響を受けつつも受信者側の復号誤りを可能な限り小さくするための送信データへの冗長性付加の方法を学ぶ. ここで取り上げる符号化法では, 具体的に送信データNビットのうちの任意のpビットの積を送信することで冗長性を持たせるのであるが, このとき, 受信者側の復号過程は, p-体相互作用を持つ「スピングラス」と呼ばれる磁性体のエネルギー関数の最小化として定式化されることを見ていく. また, 「情報理論」の講義で学んだシャノン限界が, この種の符号に対して達成される条件とその意味を考える.

a.誤り訂正符号における「符号」と「復号」の概念, 通信路の確率モデル, 通信路容量, シャノンの通信路符号化定理を復習する.
b.情報ビットの任意の積の送信により, 誤りの訂正ができることを確認し, p-体スピングラスのエネルギー関数でMAP推定値が構成できることを確認する.
c.誤り訂正可能相と不可能相の間の相転移現象について学び, 得られる相図とシャノン限界の関係について理解する.

 

4.移動体通信 (CDMA復調器) (全2回) 到達目標: 携帯電話の基礎理論である移動体通信, 中でもCDMA (Code Devision Multipule Access)と呼ばれる移動体通信システムの原理とその大自由度極限(大システム極限)における統計力学的性能評価の例について学ぶ.

a.様々な多元接続形式(周波数分割多元接続, 時間分割多元接続, 符号分割多元接続)について学ぶ.
b.ランダム拡散符号系列とユーザのデータシンボルとの直積による冗長性の付加によって, 基地局でのデータシンボルの分離が可能であることを理解する.
c.マルチユーザ復調器のMPM推定をベイズ統計の枠組みで定式化し, その大システム極限での統計力学的性能評価の一例を学ぶ.

 

5.ゲーム理論 (全1回) 到達目標: 日常的に行われている株や貨幣などの商取引きに代表される「エージェントのミクロな意思決定」における合理的判断とは何かを系統的に調べる学問体系であるゲーム理論を「マイノリティ・ゲーム」と呼ばれる繰り返しゲームを題材にして理解する.

a. マイノリティ・ゲームの定式化を学ぶ. 各トレーダーの行動決定を方程式で表す方法を理解する.
b.市場の履歴をともなうマイノリティ・ゲームにおけるトレーダーの行動決定方程式を導出し, それを計算機によってシミュレートすることで, 総入札価格の揺らぎであるボラティリィティの履歴数依存性を調べる. このトピックをより一般的な経済現象の解析へと拡張した経済物理に関する話題は2006年度に情報科学研究科で開講される「複合情報学特別講義第2」で扱う予定である. 詳しくは http://chaosweb.complex.eng.hokudai.ac.jp/~j_inoue/lecture2006.htmlにあるシラバスを参照のこと.

 

<評価の基準と方法>
講義1回につき約1題数題ずつ簡単なレポート課題を出します. それらをレポートにて提出してもらい, その内容で評価します.

 

<備考>
講義資料および講義ノートはホームページ上で配布

 

<講義指定図書>
逐次, 講義中に紹介する.

 

<講義情報>
シラバス スケジュール

 

備考
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